産地紹介(北部)

Rioja / リオハ

1991年、最初に特選原産地呼称(DOC)に認められたワイン産地

白ぶどう品種
マルバシア・デ・ラ・リオハ
ガルナッチャ・ブランカ
ビウラ

黒ぶどう品種
テンプラニーリョ
ガルナッチャ
グラシアノ
マスエロ

リオハの風土と固有のぶどう品種

リオハ

南西にあるデマンダ山脈が中央高地からの苛酷な夏の熱波を遮り、北にそびえ連なるカンタブリカ山脈がビスケー湾から吹き寄せる冷たい北西風から守り、四季を通じて平均して雨に恵まれるため、夏の暑さは厳しくなく、冬も穏やかな気候が特徴です。

リオハのワイン産地はラ・リオハ州、バスク州アラバ県、ナバーラ州の3つの行政地区にまたがり、またぶどう栽培地としては、リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3地区に分かれています。

リオハ・アルタはエブロ河の右岸と左岸の一角にあり、起伏が多く、鉄分の多い粘土質や沖積土の土壌で、ボディ、そして高い酸度をもつ熟成向きの赤ワインが造られます。リオハ・アラベサはエブロ河の左岸、バスク州に属するアラバ県にある地区で、ぶどう畑も南向きの高い斜面上にあります。土壌は粘土質と石灰岩で、色濃く、香りが豊かで、果実味の素晴らしい、若飲みタイプから熟成向きタイプまでの赤ワインが造られます。リオハ・バハはリオハの中心部にあるログローニョの東側にある地区で、エブロ河の両岸にあり、ナバーラ県の町村も含まれます。山脈から遠ざかるために、そのほとんどは平地。ほかの2地区に比べ、地中海性気候の影響をより受けるため気温も高めで、アルコール度の高いロゼと赤ワインが造られます。

リオハのぶどう栽培総面積は61,000ヘクタールで、豊作の年の生産量は約30万キロリットルです。そのうちの約75パーセントを赤ワインが占めています。テンプラニーリョはリオハの栽培面積の59パーセントを占め、一般的には、リオハの赤ワインはこのテンプラニーリョを主体に、ほかの黒ぶどうがブレンドされますが、最近テンプラニーリョのみを用いるなど、単一の品種によるワインも登場してきました。なお、外来種のカベルネ・ソーヴィニヨンは一部の特例を除き、使用を認められていません。

伝統と近代化、そして洗練

リオハ

19世紀半ばにリスカル侯爵がフランスのボルドーから導入したオークの小樽による熟成方法がリオハの伝統として、今日までに根付いてきました。一般的はアメリカ産オークが使われ、伝統的に長い期間の樽熟成が行われてきました。1980年代末に始まったリオハの革新では、フレンチオークの小樽と樽熟成期間の短縮によってぶどう本来の果実味と骨組みを生かしたまま、瓶の中で品質をより洗練させようという生産者が増えてきています。それまではリオハの各地のぶどうをブレンドして生産することが一般的でしたが、最近は畑の地区、または畑そのものを限定する生産者もますます増えています。白ワインもフレッシュでフルーティなスタイルが増えてきました。しかし、一方では昔ながらの製法にこだわってワイン生産を続ける生産者もいて、リオハでは伝統と革新、どちらのスタイルのワインも共存しています。

リオハの赤ワイン、とくに熟成期間の長いレセルバやグラン・レセルバは、買ったときにすでに円熟した味わいをもつ、香り高く非常にエレガントな、飲みごろのものが多いのが特徴です。

ロゼワインの産地から赤ワインの重要な産地へと大きく転身。

白ぶどう品種
ビウラ(マカベオ)
モスカテル・デ・ブラーノ・メヌド
シャルドネ
ガルナッチャ・ブランカ
マルバシア

黒ぶどう品種
テンプラニーリョ
ガルナッチャ・ティンタ
カベルネ・ソーヴィニヨン
グラシアノ
メルロ
マスエロ

ナバーラ

ピレネー山脈からエブロ河沿いの渓谷まで、なだらかに波を打って広がる緑の草原、人影もまばらな大地に位置するナバーラ。その名前はバスク語で「山々に囲まれた平原」に由来するとも言われています。冬はピレネー山脈からの冷たい風が吹き、夏は暑くなり、乾燥した大陸性気候ですが、春と秋は温暖で、ぶどうの生育には充分な降雨量があります。

ナバーラは、ロゼワインの産地から赤ワインの重要な産地へと大きく変わりました。

ナバーラの栽培面積は約14,300ヘクタールで、北からバルディサルベ、ティエラ・エステーリャ、バハ・デ・モンターニャ、リベラ・アルタ、リベラ・バハの5地区に分かれています。ナバーラは長いあいだ、隣のリオハの名声の陰に隠れた存在で、<ガルナッチャを主体としたロゼワインの産地と見なされていました。そこで1980年代に、生産者たちは国際市場で認められる赤ワインを造ろうと、外来種を取り入れることを検討し、ナバーラ栽培・醸造研究所(EVENA)を中心に試験栽培・醸造の結果、これらの外来種が原産地呼称の認定品種に認められるようになりました。これまで栽培の主要な品種であったガルナッチャに代わり、テンプラニーリョカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が増え、また生産量の過半数を赤ワインが占めるようになっています。

固有種、外来種を問わずに、単一の品種表示のワインの販売も大きな成功を収めています。

Somontano / ソモンターノ

ソモンターノによって注目されるようになってきタアラゴン州のワイン産地

白ぶどう品種
アルカニョン
ビウラ
シュナン・ブラン
シャルドネ
リースリング
ゲヴュルツトラミネール

黒ぶどう品種
モリステル
ガルナッチャ
カベルネ・ソーヴィニヨン
メルロー
ピノ・ノワール

ピレネー山脈のふもとに、ソモンターノ(山麓という意味)があります。平均海抜650メートルのところにあり、冬にはまとまった降雨量があり、夏は暑く、非常に乾燥した土地です。ワイン産地としてはほとんど知られていませんでしたが、1988年に原産地呼称が認められてから活気づき、協同組合を組織替えをしたり州内外から大きな投資と最新技術が導入され、国際市場を強く意識した新しいスタイルのワインの開発が活発に進められてきました。このため、原産地呼称ワインに認められているぶどう品種も固有種に加え外来種が認められています。そのため、ソモンターノはスペインのなかの「ニューワールド」と呼ばれ、海外からも称賛されています。

北部地方のその他の産地

アラゴン州

アラゴン

一足早く、国際市場に躍り出たソモンターノの影響を受け、同じアラゴン州の他のワイン産地でも業界再編成が始まりました。スペイン原産の品種名が産地名で、1930年代に早くも原産地呼称を獲得したカリニェナは当時リオハやヘレスと並ぶスペインの銘醸地域でした。その後は内戦が続き畑が荒れ果てカリニェナは長いあいだワイン産業の発展から取り残されていました。1990年代に入ると、ワイン産業復活が急激に始まり、品質向上、生産量・輸出量の増加と過去の栄光を取り戻しつつあります。

カンポ・デ・ボルハはDOナバーラと接し、魅力的なロゼとガルナッチャを中心とした赤ワインの産地です。他にはぶどう栽培の限界ともいえる海抜900メートルに達する場所にあるカラタユドなどがあります。地元原産のガルナッチャをベースにした若飲みワインの他、テンプラニーリョを加えた熟成タイプの赤ワインが造られるようになってきました。樹齢の古いガルナッチャが豊富にありコスト・パフォーマンスに優れたワインが造られるのもこの生産地の特徴です。

バスク地方

非常に雨が多い地域なので、日本と同じ棚つくりでぶどうは栽培されます。バスク地方にあるチャコリ・デ・ビスカヤではオンダリビ・ズリ100%から造られる酸のしっかりしたフレッシュな白、そして少量の赤が造られています。チャコリ・デ・ゲタリアでは畑が海に面して北向き斜面に作られており、栽培量の85%を占めるオンダリビ・ズリからフレッシュな白ワインとオンダリビ・ベルツァから赤が造られています。これらのワインは微発泡ワインで、新鮮な魚介類の多い地方料理に良く合います。さらにワインではありませんが、バスク地方ではりんごから造られるシードラ(シードル)も有名です。

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