産地紹介(北部)

Rioja / リオハ

1991年、最初に特選原産地呼称(DOC)に認められたワイン産地

白ぶどう品種
マルバシア・デ・ラ・リオハ
ガルナッチャ・ブランカ
ビウラ

黒ぶどう品種
テンプラニーリョ
ガルナッチャ
グラシアノ
マスエロ

リオハの風土と固有のぶどう品種

リオハ

南西にあるデマンダ山脈が中央高地からの苛酷な夏の熱波を遮り、北にそびえ連なるカンタブリカ山脈がビスケー湾から吹き寄せる冷たい北西風から守り、四季を通じて平均して雨に恵まれるため、夏の暑さは厳しくなく、冬も穏やかな気候が特徴です。

リオハのワイン産地はラ・リオハ州、バスク州アラバ県、ナバーラ州の3つの行政地区にまたがり、またぶどう栽培地としては、リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3地区に分かれています。

リオハ・アルタはエブロ河の右岸と左岸の一角にあり、起伏が多く、鉄分の多い粘土質や沖積土の土壌で、ボディ、そして高い酸度をもつ熟成向きの赤ワインが造られます。リオハ・アラベサはエブロ河の左岸、バスク州に属するアラバ県にある地区で、ぶどう畑も南向きの高い斜面上にあります。土壌は粘土質と石灰岩で、色濃く、香りが豊かで、果実味の素晴らしい、若飲みタイプから熟成向きタイプまでの赤ワインが造られます。リオハ・バハはリオハの中心部にあるログローニョの東側にある地区で、エブロ河の両岸にあり、ナバーラ県の町村も含まれます。山脈から遠ざかるために、そのほとんどは平地。ほかの2地区に比べ、地中海性気候の影響をより受けるため気温も高めで、アルコール度の高いロゼと赤ワインが造られます。

リオハのぶどう栽培総面積は61,000ヘクタールで、豊作の年の生産量は約30万キロリットルです。そのうちの約75パーセントを赤ワインが占めています。テンプラニーリョはリオハの栽培面積の59パーセントを占め、一般的には、リオハの赤ワインはこのテンプラニーリョを主体に、ほかの黒ぶどうがブレンドされますが、最近テンプラニーリョのみを用いるなど、単一の品種によるワインも登場してきました。なお、外来種のカベルネ・ソーヴィニヨンは一部の特例を除き、使用を認められていません。

伝統と近代化、そして洗練

リオハ

19世紀半ばにリスカル侯爵がフランスのボルドーから導入したオークの小樽による熟成方法がリオハの伝統として、今日までに根付いてきました。一般的はアメリカ産オークが使われ、伝統的に長い期間の樽熟成が行われてきました。1980年代末に始まったリオハの革新では、フレンチオークの小樽と樽熟成期間の短縮によってぶどう本来の果実味と骨組みを生かしたまま、瓶の中で品質をより洗練させようという生産者が増えてきています。それまではリオハの各地のぶどうをブレンドして生産することが一般的でしたが、最近は畑の地区、または畑そのものを限定する生産者もますます増えています。白ワインもフレッシュでフルーティなスタイルが増えてきました。しかし、一方では昔ながらの製法にこだわってワイン生産を続ける生産者もいて、リオハでは伝統と革新、どちらのスタイルのワインも共存しています。

リオハの赤ワイン、とくに熟成期間の長いレセルバやグラン・レセルバは、買ったときにすでに円熟した味わいをもつ、香り高く非常にエレガントな、飲みごろのものが多いのが特徴です。

ロゼワインの産地から赤ワインの重要な産地へと大きく転身。

白ぶどう品種
ビウラ(マカベオ)
モスカテル・デ・ブラーノ・メヌド
シャルドネ
ガルナッチャ・ブランカ
マルバシア

黒ぶどう品種
テンプラニーリョ
ガルナッチャ・ティンタ
カベルネ・ソーヴィニヨン
グラシアノ
メルロ
マスエロ

ナバーラ

ピレネー山脈からエブロ河沿いの渓谷まで、なだらかに波を打って広がる緑の草原、人影もまばらな大地に位置するナバーラ。その名前はバスク語で「山々に囲まれた平原」に由来するとも言われています。冬はピレネー山脈からの冷たい風が吹き、夏は暑くなり、乾燥した大陸性気候ですが、春と秋は温暖で、ぶどうの生育には充分な降雨量があります。

ナバーラは、ロゼワインの産地から赤ワインの重要な産地へと大きく変わりました。

ナバーラの栽培面積は約14,300ヘクタールで、北からバルディサルベ、ティエラ・エステーリャ、バハ・デ・モンターニャ、リベラ・アルタ、リベラ・バハの5地区に分かれています。ナバーラは長いあいだ、隣のリオハの名声の陰に隠れた存在で、<ガルナッチャを主体としたロゼワインの産地と見なされていました。そこで1980年代に、生産者たちは国際市場で認められる赤ワインを造ろうと、外来種を取り入れることを検討し、ナバーラ栽培・醸造研究所(EVENA)を中心に試験栽培・醸造の結果、これらの外来種が原産地呼称の認定品種に認められるようになりました。これまで栽培の主要な品種であったガルナッチャに代わり、テンプラニーリョカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が増え、また生産量の過半数を赤ワインが占めるようになっています。

固有種、外来種を問わずに、単一の品種表示のワインの販売も大きな成功を収めています。

Somontano / ソモンターノ

ソモンターノによって注目されるようになって来た、アラゴン州のワイン産地

ソモンターノはピレネー山脈のふもとにあり、その名には、地勢そのままの「山麓」という意味があります。平均海抜は650メートルで、冬にはまとまった降雨量があり、夏は暑く、非常に乾燥した土地です。ワイン産地としては以前はほとんど知られていませんでしたが、1984年に原産地呼称が認められてから活気づき、協同組合の組織替えを行ったり、州内外から大きな投資と最新技術が導入されるなど、国際市場を強く意識した新しいスタイルのワインの開発が活発に進められてきました。このため、原産地呼称ワインに認められているぶどう品種には、固有品種に加え外来品種が認められています。そのため、ソモンターノはスペインのなかの「ニューワールド」と呼ばれ、海外からも称賛されてきました。しかし現在では、新たに土地の固有品種を見直す動きも出てきています。

地理的特徴と気候

ソモンターノはアラゴン州ウエスカ県の中心部、ピレネー山脈の麓とエブロ渓谷の間にある、美しい伝統的な地区に位置しています。この地区で最も大きな町はバルバストロで、フランスとの国境から80キロのところにあります。
ブドウ畑はアラゴンのピレネー山脈の麓に広がっており、理想的な標高と気候に恵まれています。ブドウ畑は豊富な草が茂る急な傾斜面の段々畑で、標高は350m~1000mになります。谷を流れる川は北から南に向かい、エブロ川と合流します。
土壌は砂質と粘土質が多く含まれる明るい赤土で、川に近いところでは沖積物が含まれます。また石灰岩は理想的な土壌をもたらしています。それらは痩せて非常に水はけがよく、健康的な土壌です。ピレネー山脈が北からの風を遮るため、ソモンターノは非常に穏やかな大陸性気候ですが、寒暖の差は激しくなっています。ブドウ栽培家たちは霜や干ばつ、極端な夏の暑さに対処することには慣れています。日中や夏の昼夜の極端な寒暖差はこの土地特有のもので、ブドウが良く熟するのにとても良い状態を作り出しているのです。

栽培と醸造

ソモンターノで栽培されているブドウは新しいものと古いものが混在しているので、伝統的な品種であるモリステルやパラレタ(赤)、アルカニョン(白)などからもワインが作られています。1990年代にはこのことこそがソモンターノの本質であり固有のものとして価値を認められ、近代的なワイン醸造技術ともうまく調和することが出来ました。
そのほかのスペイン固有の品種、マカベオやテンプラニーリョ、ガルナッチャ・ティンタやガルナッチャ・ブランカは、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロー、ピノ・ノワールやシャルドネ、そしてゲヴェルツトラミネールやシラーと言った外国品種と並んで植えられています。
ブドウ畑では近年機械化も進んでいます。 うどんこ病は風土病ですが、最新の衛生コントロールによりもはや問題にはなっていません。べと病はまだ知られていません。収穫は8 月上旬にスタートします。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年3月現在)の一部を和訳したものです。

Calatayud / カラタユド

カラタユドは1990年にDOに昇格、アラゴン州でカリニェナに次いで2番目に大きく、品質の高いワインを生み出す産地となりました。以来、協同組合と個人経営ワイナリーとの両方において、よりワインの水準を上げ、完全なものにするために、進歩的な改善に取り組んできました。また新しいテクノロジーや醸造システム、ブドウ畑の研究のために相当な投資が行われました。これらにより今日のカラタユドのワインは、真の可能性を見せ始めています。
多くの新しいワインは、完熟したガルナッチャによる可能性を探求しています。カラタユド・スペリオールと呼ばれる若い赤ワインの新しいカテゴリーは、最低でも樹齢が50年で、収量が1ヘクタール当たり3,500㎏以下のガルナッチャから作られています。

地理的特徴と気候

DOカラタユドはアラゴン州サラゴサの南西約87㎞に位置し、東はDOカリニェナと、西側はソリア地区と境を接しています。そこにはモンカヨ山脈の麓の複雑な山系システムのエリアがあり、それらはエブロ川、ハロン川、ヒロカ川などを含む、他の小さい川の支流によって形成された複雑な水路システムのネットワークを取囲んでいます。ブドウ畑の斜面はシエラ・デ・ラ・ビルヘンの南側、標高550~880メートルから下っています。ブドウ畑の大半は、石灰岩の割合が多く、透水性の高い健全な土壌となっています。岩が多く、栄養分はあまり含まれていません。
カラタユドの大陸性気候はほかのアラゴン州のほかの栽培地域と同様ですが、いくつかの畑はスペインで最も乾燥しています。 年間5~7か月は雪が降るビルへン山脈の麓のブドウ畑を吹き渡る風の影響で、夏の気温はさほど上がりません。昼夜の温度差は激しく、特にブドウが熟する時期にはそれは決定的な影響を与えています。このことが酸とアルコールの素晴しいバランスを生み出し、アラゴンのワインを他に類を見ないものにしています。
降雨量はブドウ畑の位置によってかなり違いますが、だいたい300mm~550mmです。この地域では珍しくない霜と強風は、年によってはブドウに被害をもたらすものとして知られています。

栽培と醸造

このDOで認可されているブドウ品種はこの20年で相当に広がりました。今では伝統的な品種であるガルナッチャ・ティンタ、マスエロ、ビウラそしてガルナッチャ・ブランカなどと並んで、輸入された国際品種も栽培されています。植え替えられたテンプラニーリョは今では栽培面積の16%を占めるようになっています。また最も革新的な栽培家たちは、シラーやカベルネ・ソーヴィニョンやメルローを実験的に栽培しています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年5月現在)の一部を和訳したものです。

Campo de Borja / カンポ・デ・ボルハ

カンポ・デ・ボルハはDOナバーラと接し、魅力的なロゼとガルナッチャを中心とした赤ワインの産地です。
この地域がDOとなったのは1980 年。それ以来、徐々に独自のアイデンティティを形成しつつあります。ワインは良く出来ており、フルボディで密度が濃く、はっきりとしたフルーティーなアロマがあります。 ほとんどは赤ワインで、クリアンサとレセルバの数は着実に増加していますが、同時に白ワインも生産されています。今日では赤ワインとロゼワインは専門家たちの賞賛を獲得するようになりました。また、しっかりとしたフルーティーさのある若い赤ワインは、かなりの商業的成功を収めています。
カンポ・デ・ボルハのワイン醸造の豊かな文化遺産は、ガルナッチャに依ります。一番高齢な畑は1890 年から続いており、約4,000 ヘクタールのうちの2,000ヘクタールは、樹齢30年から50年です。生産量は多くはありませんが、ワインに複雑な骨格と香りを与えることから、その品種はワイン醸造学的に非常に高く評価されています。

地理的特徴と気候

カンポ・デ・ボルハは、サラゴサの北西に位置しており、DO内の最大の都市ボルハは7,000ヘクタールのブドウ畑に囲まれています。地理的に言えば、この地域はナバーラの延長上にあり、サラゴサに向けて流れているエブロ河の南側に位置します。
ブドウ畑は標高350-750メートルのところに横たわり、西のモンカヨ山の斜面から東の低い丘へと下っています。従来よりカンポ・デ・ボルハは南部の平地のプラセンシア地区と、北部のウエチャ川(エブロ川の支流)流域の2 つのサブゾーンに分かれています。
景観は、エブロ河の渓谷に沿って高原が続いています。土壌は砂質が石灰岩を覆っており、そのため石状で水はけが良くなっています。この標高と土壌が高品質なワインの生産に非常に適しています。
他のアラゴン州のワイン生産地と同様に、カンポ・デ・ボルハは、長く暑い夏と、冷たい冬という極端な大陸性気候です。春の終わりには、霜や雹が多く、またシエルソと呼ばれるこの地方と特有の冷たく乾いた風が吹きます。雨量は多くはありません。

栽培と醸造

伝統的なスペイン固有のブドウ品種の全てがカンポ・デ・ボルハには存在しています。
ガルナッチャは赤ワインとロゼワインに、テンプラニーリョは熟成を補完するために、マカベオは白のDOのワインを造るために、モスカテルは甘口ワインのために、それぞれ存在しています。その他の認可品種は、メルロー、カベルネ、シラー、シャルドネなど。植樹密度は1ヘクタールあたり 1,500本から4,000本で、風や過度の熱の被害を受けやすい地区のブドウは低く植えられています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年4月現在)の一部を和訳したものです。

Cariñena / カリニェナ

カリニェナはアラゴン州の中では最も古く最も大きいDOで、スペインでも早い時期、1932年に その地区の原産地呼称が認められました。DOの名称は、スペイン北部ではマスエロ、フランスではカリニャンと呼ばれるブドウの品種名に由来しています。
この10年間には、小規模ワイナリーと協同組合との間で急速に開発が進み、ワインは モダンなスタイルに生まれ変わりました。赤ワインは骨太で肉厚なタイプになりましたが、古くから有名なロゼとモスカテルのワインも継続して作られています。

地理的特徴と気候

カリニェナは、アラゴン州中央部、サラゴサ市の南西48 kmに位置しています。ブドウ畑はエブロ河の南側、標高400mの平地、カンポ・デ・カリニェナとして知られている場所にあります。産地の標高はビルゲン山脈と出会う南部では800mまでになり、また西部はDOカラタユドに隣接しています。
カンポ・デ・カリニェナは、南西側がイベリアン山脈に囲まれているため、ミネラル成分が山から平野部に下ってきており、それが土地の個性となっています。
山のふもとの土地は岩状で貧しく、機械も入らないため収量は少なくなっています。 標高が低くなると傾斜は緩やかになり、カリニェナの平野に続きます。土壌は堆積土や堆積物からなる小石状で保水性が高く、これらがブドウ樹の生育に必要な状態を生み出しています。この地域の気候は近年より穏やかになってきており、ブドウ樹の発達において理想的な環境となっています。

一方アレガイレン山と並行に走っている平野部には原産地呼称で認定された土地の80%が集中し、土壌は中新世の粘土質で構成されています。ここでは次の4つの土壌が見られます。

  1. 細かく砕けた茶色い石灰岩土壌。表層は外部からの堆積物で覆われており、ところどころが赤茶色になっている。この土のタイプがカリニェナの原産地呼称エリアでは最も多くみられる。
  2. 主に南部の立派な茶色い土壌が粘板岩を覆っており、そこに石英岩や固結岩屑土などが混じっている。この土のタイプがここでは2番目に多くみられる。
  3. 強粘土質土壌。段々状になった土壌が茶色い石灰岩の表面にあり、その下には石灰質の堆積物がある。
  4. カラール、セロレンシーナ(Calar. Xerorendzina)はローム層の上にあり、砂岩と時に 石膏が混じった茶色い石灰岩で、固結岩屑土も見られる。もうひとつはカリニェナのごく一部の地域にみられる堆積土壌で、ハロン川とウエルバ川の沈殿物から成る。

気温はこの過酷な大陸性気候に相応しく極端で、夏は38度にまでなり、冬は8度にまで下がります。また冬期の「シエルソ」と呼ばれる乾いた北風がよく知られています。 この気候により、ブドウ栽培者たちは、雹や強風、そして激しい夏の暑さとともに作業をすることになります。干ばつも収穫量に影響を与えます。また昼夜の温度差は、ブドウの風味を凝縮させることに役立っています。

栽培と醸造

DOの名前はカリニェナから来ていますが、ここで最も重要な品種はガルナッチャで、栽培面積の55%を占めており、赤ワインとロゼワインが造られています。白品種ではビウラで、20%を占めています。
テンプラニーリョ(栽培面積の15%)は熟成の長い赤ワインの増加とともに、増えています。 垣根仕立てでは、畝間は3mが標準となっています。植樹率は1ヘクタール当たり1,500~3,000本。収穫は通常9月に始まります。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年4月現在)の一部を和訳したものです。

 

バスク地方

バスク地方のワインといえば、チャコリ。爽やかな酸味のある微発泡ワインで、白ワインが8-9割を占めています。古くからこの地方で伝統的な製法で作られていましたが、近代化の波にのまれ、一時は衰退の危機に見舞われました。それを憂いた生産者たちの努力や自治体の後押しもあり、見事復活を遂げ、近年では輸出も含め大いに発展しています。現在この地方には、3つのチャコリのDO、チャコリ・デ・アラバ、チャコリ・デ・ゲタリア、チャコリ・デ・ビスカヤ、があります。最も歴史が古く、最大の面積を占めるのがチャコリ・デ・ゲタリアで、9割のブドウ畑が海に面しています。チャコリ・デ・ビスカヤでは、海側と山側の両方に畑があり、一番新しいチャコリ・デ・アラバは内陸部でブドウが栽培されています。伝統的なこれらのワインは、新鮮な魚介類の多い地方料理に良く合います。美食の都として世界的に名高いサンセバスチャンを擁するバスク地方ならではの楽しみ方も色々。チャコリの泡と酸味を和らげるために始まったエスカンシアという、高い位置から平なコップをめがけて注ぐパフォーマンスも、チャコリのワイン同様人気があります。

Chacolí de Álava-Arabako Txakolina-Txakoli de Álava
チャコリ・デ・アラバーアラバコ・チャコリナ



D.O.チャコリ・ デ・ アラバ

バスク州の南の内陸部に位置するアラバ県は、DOPリオハの赤ワインの産地の一部(リオハ・アラベサ)として知られていましたが、2001年にチャコリワインの原産地呼称「チャコリ・デ・アラバ」としても認定されました。

チャコリは大昔からこの地域で造られていたいわば地酒のようなワインですが、19世紀後半からの急激な工業化と人口の流入、嗜好の変化、さらにはフィロキセラによるブドウ畑の壊滅的被害で一時期は、畑は5ヘクタールまでに減ってしまいました。それを1980年代からすこしずつ復活させ、現在に至っています。

1989年にアラバ県議会と古くからの生産者達は、アイアラ地域でのチャコリの生産を復活することについての同意書にサインをしました。また、1999年から2000年にかけて、50haのブドウ畑で33の生産者が共同で80,000ℓのワインを造りました。2010年までにブドウ畑は100haに広がり、7つのワイナリーがDOに登録されています。

認可されている主要品種は、白品種のオンダラビ・スリと、赤品種のオンダラビ・ベルツァ、そしてプティ・マンサン、グロ・マンサン、プティ・コルブなどです。

地理的特徴と気候

この産地はアラバ県の北部に位置しており、大西洋気候で、主要品種であるオンダラビ・スリとオンダラビ・ベルツァの生育にとって非常に良い環境となっている。
十分な日照量と適度な雨は、アルコール度数が12度になるブドウが出来るのに最適な環境を作ってくれる。また、春の遅霜のリスクを避けるために、殆どの畑はサルバダ山脈の斜面の低い場所に位置している。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年10月現在)およびチャコリ・デ・アラバ原産地呼称統制委員会HP(スペイン語)の一部を和訳したものです。

Chacolí de Guetaria-Getariako Txakolina-Txakoli de Getaria DO
D.O.チャコリ・デ・ゲタリア(ゲタリアコ・チャコリナ)



D.O.チャコリ・デ・ゲタリア

チャコリと呼ばれるバスク地方のフレッシュな白ワインは、バスク州の3つの県で造られています。そのうちの1つ、ギプスコア県のブドウ栽培エリアで作られているワインがDOチャコリ・デ・ゲタリア(バスク語でゲタリコ・チャコリナ)で、ブドウ畑の面積は402ヘクタール、その9割は海沿いに位置しています。チャコリの3つのDOの中では、チャコリ・デ・ゲタリアが、ブドウ栽培面積、ワイン生産量ともに最大です。一方で、栽培地域の狭さと地元でのワイン人気の上昇により、チャコリの輸出量は限られたものとなっています。

1989年来の原産地呼称

ゲタリアのチャコリは過去25年以上に渡って原産地呼称を維持してきました。チャコリの復活を遂げたワイン生産者と、バスク地方行政が実施する品質面で努力の結果として、 1989 年にゲタリアはチャコリ・デ・ゲタリアの原産地として指定されました。その当時の指定原産地はアヤ、ゲタリア、サラウスのみで、そこで造られたチャコリのみがDOゲタリコ・チャコリナのワインとして認定されていました。 その後2007 年 には原産地呼称チャコリ・デ・ゲタリアは、その指定栽培エリアをギプスコア県の全体に拡大しました。
20年前までは、良いチャコリと言えば、「カセリオ」と呼ばれる農家で伝統的な製法で造られたものに限られていました。今日では新しいテクノロジーと、県全体のレストランの料理の並外れた水準の高さが手伝って、ゲタリアのワイナリーは新たなルネッサンスの時を謳歌しています。県都のサンセバスチャンは美食の都として世界的に有名です。

伝統的な若いワイン

伝統的な若いワイン、ゲタリアのチャコリの原料となるのは、2つの固有品種です。ブドウ畑の95%を占める白ブドウのオンダリビ・スリと、残りの5%である黒ブドウのオンダリビ・ベルツァで、これらは垣根仕立てで栽培されています。ゲタリアのチャコリは、糖度の酸度のバランスがちょうど良くなる秋の初めごろ慎重に収穫され、最先端のプレスと発酵技術を使用して、丹精を込めて作られています。
チャコリは若くてフルーティーな白ワインです。アルコール度数は中程度の強さ (11º) と特徴的なわずかな酸味のとてもユニークなキャラクターのワインです。よく冷やすと、特徴的なワイン作りのプロセスの結果である、独特の小さな炭酸の泡と様々な要素のある香りを楽しむことができます。地元ではチャコリは、独特の形をした平らな底のタンブラーに1インチ程度一気に注がれ、その泡が消えないうちに飲み干す、バスク語で「ティンパルタ」という飲み方が一般的です。
ワイナリーを訪問する際は、塩漬けのアンチョビやマグロやカツオのオイル漬けとともにチャコリを飲むことをお勧めします。それが、チャコリの生産者達の好む楽しみ方だからです。

識別(認定)方法

ゲタリアのチャコリは、各ボトルの上部に貼られる番号付きのDOの保証シールで識別されます。これは、登録されているワイナリーが現在の法律や規定に従ってワインを生産していることを保証しています。
DOチャコリ・デ・ゲタリアの本部、つまり原産地呼称統制委員会は、この地方の固有品種ブドウの原産地の確認、ワインメイキングの行程と品質の慎重な管理 そして消費者にチャコリ・デ・ゲタリアの品質を保証すること、を明確にしています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年1月現在)およびチャコリ・デ・ゲタリア原産地呼称統制委員会HP(スペイン語)の一部を和訳したものです。

Chacolí de Vizcaya-Bizkaiko Txakolina-Txakoli de Bizkaia DO
D.O.チャコリ・デ・ビスカヤ(バスク語およびバスク語表記:ビスカイコ・チャコリーナ、チャコリ・デ・ビスカイア)



D.O.チャコリ・デ・ビスカヤ

ユニークで素晴らしい神の酒「チャコリ」の復活が始められたのは1980年代初頭、バスク州とビスカヤ県のサポートを受け、チャコリのワイン生産者のグループが、「チャコリワイン生産者組合(BIALTXA)」を結成した時からでした。彼らの労働、努力、協力体制などが実を結び、1994年には原産地呼称委員会(DO)「チャコリ・デ・ビスカヤ」が設立されました。
このDOは、先祖代々受け継がれてきた、大西洋のワイン造りの結実であるチャコリというワインを広く知らしめること、そしてチャコリ誕生の地であるビスカヤの、田舎式かつ伝統的な農法や土地固有のブドウ品種を賞賛し、守ることを役割として生まれました。

伝統

ビスカヤのブドウ樹は、遡ること1000年も前から存在していた。12世紀から13世紀以降、ワインは自給自足で作られ、地元で消費されていました。 チャコリの語源は、バスク語で自家製を意味する「エチャコア」、または、「一家族に充分」を意味する「エチェコ アイン」だと言われています。

14世紀から15世紀の間、地元のワインは管理され、保護されていました。最古の文献は1616年のもので、「チャコリン・ワイン」が地元のワインとして指定されています。19世紀の終わりから20世紀の初めにかけては、「チャコリネス(チャコリ専門バル)」が出現し、塩ダラやイカ、アンギラス(鰻の稚魚)などと供に楽しくにぎやかに振舞われる人気ワインとなり、チャコリとしては最高の栄誉を体験しました。しかし20世紀の初めには、外国からのワインとの競争や、バスク地方の工業化の波、フィロキセラの被害と相まって、1891年の調査で2,874ヘクタールとされていたブドウ畑は壊滅状態に陥りました。

長い「不確実性の時代」が続いた後、1980年代の中盤、生産者達の小さなグループはビスカヤのブドウ畑を復活させるための前進を始め、ワイン造りを進化させていきました。活動が認められ、1994年にはチャコリ・デ・ビスカヤはDOに認定されました。現在では「チャコリ(バスク語ではチャコリーナ)」はEU規制のもと、伝統的な用語として保護されています。

ブドウ畑

チャコリ・デ・ビスカヤは、この地方独特のユニークな特徴によってそのキャラクターが造られています。耕作地は丘の斜面の中腹にまで広がっており、北風から守られ、日光がさんさんと降り注いでいます。標高は50~20mで区画は小さく、機械化が難しい所です。必然的にブドウは愛情とともに手をかけて育てられ、質の高いものになります。

気候

湿った、暖かい大西洋気候。雲や霧により日照量の少ない地域ですが、ブドウ畑は日当たりのよい斜面に植えられているので、日照時間が地域の平均よりも長くなっています。海の影響により夏でも気温は高くなく、冷涼。ブドウには海の香りがつき、ゆっくりと熟します。降雨量は1000~1300mm。冬と春に多く、一部は秋に降ります。 また、秋に頻繁に吹く南風は、ブドウの熟成に良い効果を与えています。

ブドウ樹の仕立て方

ブドウは通常垣根仕立てで、3x1.5mから2.5x1.10mの間隔で植えられます。

土壌

一般的にあまり深くなく、わずかに酸性で、石灰岩と泥灰土の上に粘土質ロームの風合いが見られます。

チャコリの製造工程

9月の終わりにブドウは最適な完熟期を迎えます。収穫は9月末ごろ認可外来品種から始まり、10月12日の「ピラールの聖母の日」辺りまで、地元の固有品種とともに収穫に専念します。ブドウは手摘みで収穫され、プラスティックのカゴに入れられ、ワイナリーまで運ばれます。
大勢を占める認可白ブドウは除梗をします。圧搾する前に多くのワイナリーでは、果肉と種を低温で不活性ガスを充填して漬け込むマセラシオンを行い、ブドウの果皮に含まれる香りや全ての混合物を引き出します。15℃前後に温度管理されたステンレスタンクで通常2~3週間かけて、モストの発酵が行われます。秋の終わりまでにチャコリは出来上がりますが、多くのワイナリーではさらに数週間待って、ワインが最高の状態を発揮できるタイミングを見計らいます。

畑では剪定が行われます。これにより、来たる新しいシーズンのブドウ樹の確実な再生や生育が保証されます。この難しく手間のかかる手作業は、1年のうちで最も寒い時期に時間を容赦なく費やす作業です。この間ワイナリーではワインの製造工程が完結します。清澄の行程では、安定化とフィルタリングによりワインは清潔で輝きのある製品になり、それは様々な要素と絡み合ってチャコリを愛する人々を楽しませてくれます。そしてこの時期には、DOによって保護されているワインの信頼性と品質を保証するために、多くの試飲が行われます。

穏やかな季節の始まりとともに、ブドウ樹の生育サイクルが再び始まります。芽吹きに先立ち、ブドウの樹液も再び「滴り、涙を流す」と呼ばれる現象で畑に姿を見せます。4月の前半には最初の葉っぱが現れ、5月の終わりには開花が始まります。この数週間がどのような気候かがその年の最終結果に影響を及ぼすので、ブドウの生産者にとっては緊張を強いられる期間です。ブドウ畑はこの時期は特別に手入れをされます。ブドウ樹の周りの通常の草刈りだけでなく、病気やカビなどに対しての手当も受けます。「ブランケの祭り」の伝統に従って、農家ではチャコリの新酒到来をしめす月桂樹の枝を飾ります。その頃には人々は春の日差しの中でチャコリを楽しんでいます。

この時期、全ての労働はブドウ畑の中に集約されます。生産者たちはブドウの樹や房がきちんと正しく生育するよう、それを確実にするための作業に没頭します。主な作業は剪定。ブドウ樹の枝や葉が通路を覆わないようにするため、またブドウ樹の枝を減らす、枝が伸びすぎたものをコントロールする、などの剪定も行われます。樹は伸びて高くなり、葉っぱで緑の壁を作りますが、これにより糖分が合成され、房の中に蓄積されていきます。夏の始めにはブドウはまだ小さな粒ですが、そのうち引き締まり、琥珀色からカラメル色の房になります。徐々にブドウの実は大きくなり、糖分を含み、酸は落ちていきます。ビスカヤでは夏の温度が低く冷涼なためこのプロセスはゆっくりと進み、徐々に適度に熟していきます。夏の終わりごろ収穫のタイミングを見計らう時期になると、風通しを良くして、危険な湿気や腐敗を防ぐために、ブドウの房の周りの葉っぱは一部取り除かれます。

チャコリのタイプ

チャコリ白

このタイプが生産の95%を占めます。主に2つの推奨品種、オンダリビ・スリとオンダリビ・スリ・セラティアから造られます。グラスの中ではワインは淡い色から麦わら色まで、時にはグリーンがかったものも見られます。輝きがあり、クリスタルのような透明感。突出した初期のアロマは中程度のボリュームで、果実や花、草の香りなどの様々な繊細な香りが支配しています。口中ではわずかに酸味を感じるのが特徴。フレッシュでバランスが取れています。フィニッシュは中程度の余韻があり、アフターテイストにはわずかな苦みが残ります。

チャコリ 白 樽発酵

非常に日当たりがよい一部の小区画で作られたブドウから造るワインだけがオーク樽で発酵させることができます。色は麦わらから淡い黄色。クリーンで輝いています。香りは中からやや高めの強さ。果実や花、バルサムのような香りも背後に感じられます。口に含むとフレッシュでバランスが取れていて、複雑。余韻が長く、後味には再び果実、花、そしてバルサムが感じられます。全てのワインは辛口。残糖分は1ℓ当たり5gを超えないようにしています。

チャコリ ロゼ

伝統的に「雄鶏の目」と呼ばれています。最低50%の推奨品種オンダラビ・ベルツァ で造られます。グラスの中では淡いイチゴ色からラズベリーピンクまで。クリーンで輝いています。アロマは小さな野生の果実、品種特有のピーマンや野菜のアクセントも。 口中ではライトからミディアムボディ、飲みやすく、フレッシュで生き生きとしたワイン。フルーティーなアフターテイストで、それも品種から来るものです。

チャコリ赤

オンダラビ・ベルツァから造られます。とても若いワインで、とてもわかりやすく、顕著な特徴のあるワイン。グラスの中ではしっかりとした赤い色調で、チェリーからすみれ色まで幅があります。突出した初期のアロマは小さな果実、ピーマン、野菜など。口中ではワインはミディアムボディでフレッシュ、タンニンも程良くあり、フルーティーな余韻。品種特有のピーマンや野菜が後味に印象を残します。しっかりとしたボディと複雑さがあるので、熟成も可能。トーストの香りの出現の可能性があり、口中ではより複雑な木の香りが味わいを補完します。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年12月現在)およびチャコリ・デ・ビスカヤ原産地呼称統制委員会HP(スペイン語)の一部を和訳したものです。

北部地方のその他の産地

アラゴン州

アラゴン

一足早く、国際市場に躍り出たソモンターノの影響を受け、同じアラゴン州の他のワイン産地でも業界再編成が始まりました。スペイン原産の品種名が産地名で、1930年代に早くも原産地呼称を獲得したカリニェナは当時リオハやヘレスと並ぶスペインの銘醸地域でした。その後は内戦が続き畑が荒れ果てカリニェナは長いあいだワイン産業の発展から取り残されていました。1990年代に入ると、ワイン産業復活が急激に始まり、品質向上、生産量・輸出量の増加と過去の栄光を取り戻しつつあります。

カンポ・デ・ボルハはDOナバーラと接し、魅力的なロゼとガルナッチャを中心とした赤ワインの産地です。他にはぶどう栽培の限界ともいえる海抜900メートルに達する場所にあるカラタユドなどがあります。地元原産のガルナッチャをベースにした若飲みワインの他、テンプラニーリョを加えた熟成タイプの赤ワインが造られるようになってきました。樹齢の古いガルナッチャが豊富にありコスト・パフォーマンスに優れたワインが造られるのもこの生産地の特徴です。

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