産地紹介(内陸部)

Ribera del Duero / リベラ・デル・ドゥエロ

ティント・フィノを主体とした高品質な赤ワインの産地

白ぶどう品種
アルビリョ

黒ぶどう品種
ティント・フィノ
カベルネ・ソーヴィニヨン
マルベック
メルロ

リベラ・デル・ドゥエロ

1982年に原産地呼称に認定されたリベラ・デル・ドゥエロはソリア、ブルゴス、セゴビア、バリャドリッドの各県にまたがリ、ドゥエロ河に沿った東西約120キロのあいだに広がる産地です。リベラ・デル・ドゥエロのワイン産地は、アランダ・デル・ドゥエロの町からとくに西の地域に広がり、地形は河の両側に高い丘が平行して連なる渓谷で、ぶどう畑は河に近い平地から丘陵の斜面に位置しています。

大陸性の気候の影響を強く受け、夏は暑く乾燥しますが、夜には気温が下がり、冬には凍てつくような厳しい寒さが訪れます。また、春の遅霜が発生しやすく、その年の作柄に影響を及ぼすことがあります。雨は秋と春に多く降り、夏に雨雲を見ることはめったにありません。年間の平均日照時間が2,200時間あり、またぶどう生育期間中の暑く乾いた天気のおかげでぶどうは病害に遭うこともなく、完熟した素晴らしい品質となって収穫されます。

中央台地北部につながるこの地域では、ぶどう畑は平均海抜700~850メートルとヨーロッパのなかでも高地にあり、日中の強い日照を受けて成熟していくぶどうは、夜の涼しさで凝縮度を増していきます。土壌は白亜質の石灰岩を中心に、ドゥエロ河のそばでは沖積土と砂質が多くなります。これらのテロワール(スペイン語ではテルーニョ)が濃厚な色合い、深みのあるアロマ、しっかりとした骨組み、豊かな果実味とそれを滑らかに感じさせてくれる酸味など、複雑で凝縮されたリベラ・デル・ドゥエロの赤ワインのスタイルを生み出すもととなります。

ティント・フィノの偉大な個性

リベラ・デル・ドゥエロ

リベラ・デル・ドゥエロの原産地呼称に認定されているぶどう栽培面積は約12,500ヘクタールです。その85パーセントが赤ワインとロゼワインの主要なぶどう品種となるティント・フィノまたはティント・デル・パイスと呼ばれる、テンプラニーリョと同種のものです。赤ワインにはこの品種を最低75パーセント使用することが義務付けられています。ガルナッチャ・ティンタや前世紀にフランスのボルドーからもたらされたカベルネ・ソーヴィニヨンメルロマルベックの黒ぶどう品種や、スペイン固有の白ぶどう品種アルビーリョを補助品種として用いることが許されています。ティント・フィノ100パーセントで造るか、あるいは補助品種をブレンドするかは生産者の選択によりますが、ティント・フィノの無限かつ多様な可能性にリベラ・デル・ドゥエロの偉大な将来を託そうと、この品種単一で赤ワイン造りをするところが増えています。なお、この地区では白ワインも造られていますが、リベラ・デル・ドゥエロの原産地呼称は認められていません。

スペインの高品質ワイン産地のリーダー

リベラ・デル・ドゥエロ

以前からスペイン最高のワイン、ベガ・シシリアの産地として知られていたリベラ・デル・ドゥエロですが、1980年代前半のペスケーラの国際的な大成功によって、この産地名が内外で知られるようになりました。1980年代後半以降、この地域への関心がさらに高まり、外部から実業家や異業種の企業がリベラ・デル・ドゥエロに進出し始めました。現在もその動きはとどまることを知らず、品質を重視したぶどう畑の開墾や拡大、近代機器を導入した醸造所が次々に建てられています。この結果、リベラ・デル・ドゥエロは産地全体の品質の高さを認知され、欧米諸国への輸出も盛んになり、その名声は世界中へと広がり、今やリオハと並びスペインの高品質ワイン産地のリーダーとなっています。

Rueda / ルエダ

ベルデホから造られるルエダの辛口白ワイン

白ぶどう品種
ベルデホ
ソーヴィニヨン・ブラン
パロミノ
ビウラ

ルエダは1980年に白ワインだけが原産地呼称に認定されました。しかし2002年8月の改正で赤ワインとロゼワインもルエダの名称を名乗ることが出来るようになりました*。海抜600~780メートルにある中央台地上のなだらかな起伏の土地にぶどう畑があります。ドゥエロ河が運んだ沖積土や石灰粘土質、砂質、砂岩と粘土質などの土壌で、気候は典型的な大陸性です。

*ただし2007年1月に裁判により、ルエダの原産地呼称には赤とロゼワインが認められないことが正式に決定しました。ただこの件に関しては、まだ数年紆余曲折があるかと思われます。

ルエダ

原産地呼称に認定されているぶどう畑の面積は全体で約6,200ヘクタールで、最も多く栽培されているぶどう品種はベルデホです。ルエダはかつてはパロミノから造られるシェリー・タイプの酒精強化ワインの産地として知られていましたが、1970年代以降に、ステンレスタンクなどの導入と近代醸造技術によって大きな転機が訪れ、ベルデホから造られるフレッシュで爽やかな若飲みの辛口白ワインの産地へと生まれ変わりました。現在はリアス・バイシャスと並ぶスペインの2大白ワインの産地として知られています。ルエダを名乗るためにはベルデホを50%以上、ルエダ・ベルデホは85%以上の使用が義務付けられています。その他ソービニオンブランを100%使用しているワインはルエダ・ソービニオンブランを名乗ることができます。現在においてはまだ圧倒的に白ワインの占める割合が大きいのですが、近隣にリベラ・デル・ドゥエロやトロを配する地域でもあり、よい赤ワインも生産されるようになってきました。黒葡萄品種はテンプラニーリョです。その他、伝統的な製法によるスパークリングワインも造られるようになってきました。

Toro /トロ

熱い注目を集めるトロの赤ワイン

白ぶどう品種
マルバシア
ベルデホ

黒ぶどう品種
ティンタ・デ・トロ
ガルナッチャ

ドゥエロ河流域のなかで最も西側に位置するトロは1987年に赤、白、ロゼが原産地呼称に認定されました。

赤ワイン

河の周辺にあるぶどう畑は肥沃な沖積土に覆われ、北部は石灰岩と砂質の多い土壌で、大陸性の気候をもちますが、リベラ・デル・ドゥエロに比べると海抜が下がるため、夏の気温はさらに高くなり、ぶどうの成熟が早く進みます。全体の58%を占めるテンプラニーリョと同種の黒ぶどうはトロで栽培されるうちに。独自の個性を持つようになりティンタ・デ・トロと呼ばれます。ティンタ・デ・トロを最低75パーセント使用することが義務付けられている赤ワインは濃厚な色、凝縮された果実味ですが、1990年代後半に、リベラ・デル・ドゥエロの著名な生産者などが投資をするようになり、濃縮さはそのままに、しかし洗練された品質の赤ワインが造られるようになり、あっと言う間に熱い注目を集めて、有望視されるようになりました。

Bierzo / D.O.ビエルソ

D.O.ビエルソ

DOビエルソは行政的にはカスティーリャ・イ・レオン州に属していますが、景色や気候はガリシアに近く、緑豊かな山間部地域です。D.O.バルデオラスと接していて、造られるワインも共通点が多く、白品種のゴデーリョや黒品種のメンシアから造られる高級ワインの生産が活発化してきました。特に2000年以降、若手の醸造家がこの地域でメンシアを使用した高級ワインを競って生産するようになり、プリオラート、トロと並んで注目の新興地域として世界中の熱い視線を浴びるようになりました。
ビエルソはカスティーリャ・イ・レオン州のレオン県の北西に位置する約3,000kmに渡るエリアで、県の面積の18%を占めています。地理的には沿岸部のガリシア、アストゥリアスと内陸部を繋ぐ重要な地点にあり、そのため歴史の中で様々な町や文明が発達し、定着しました。
ビエルソのブドウ畑は、東西南北の方向に斜面を持つ標高450〜800メートルの小区画(ミニフンディオ)、小規模な畑と傾斜地で構成されています。川沿いの傾斜の緩やかな丘陵地帯や、比較的傾斜のある丘にいずれもテラス状に作られています。土壌は第四紀層に覆われた中新世の物質で、表面はシルト・ローム、中程度の酸性でpHは5.5に近く、湿度の高い典型的な炭酸塩は存在していません。丘陵地の土壌は、斜面の土壌は、鉱物、珪石、スレートの混合物でできています。

気候

ビエルソはブドウ栽培に非常に適したマイクロクライメイト(微小気候)です。 ロス・アンカレス山脈による自然の壁は大西洋の嵐の力を和らげ、海洋の影響を受けた大陸気候を作り出します。 年間降雨量は721mmで平均気温は12.3℃。最低気温は寒い月には3.6℃、最も暑い月で23.6℃と記録されています。年間平均日射量は2,100〜2,200時間の日照時間で推算されます。

歴史

ローマ時代の作家の文献から、2000年前には既にビエルソにブドウ畑があったことが読み取れます。この地域は元々ローマ時代以前の都市名ベルギディウムに由来しています。ローマ人はこの土地で農業を著しく促進し、ブドウなどの新しい作物や新しい技術を導入しました。しかしビエルソのブドウ畑の拡大は、中世の修道院、特にシトー派の発展とリンクしていました。なぜならワインはそのキリスト教文化に欠かせないものであり、食事の基本と考えられていたからです。したがって10世紀に渡ってワインはこの地域の経済において非常に重要なものであり、中世にはサンティアゴ巡礼路によってますます重要な発展を遂げたのです。
ビエルソのワインは何世紀にもわたって生産され、ガリシアとアストゥリアスの市場で人気を博していましたが19世紀後半にフィロキセラがブドウ樹の息の根を止める深刻な事態に見舞われ、大勢の人々の移住を含む、深刻な経済危機を招きました。20世紀前半にアメリカ系ブドウ樹の接ぎ木により生産が回復すると、ワインは地域の経済で再び重要な役割を果たすようになりました。1960年代に入ると新たな現象、協同組合が登場し、以来ワイン生産において非常に重要な役割を果たしています。ビエルソの高品質なワインは、1989年に農水省が原産地指定を付与したことで完全に認められるようになったのです。

ブドウ品種

ビエルソは様々な品種のブドウが生産される肥沃な土地で、土壌と気候の特性に合わせて栽培されています。原産地呼称ワインを名乗るには、認可されたブドウ品種でなくてはならず、黒ブドウ品種はメンシア、ガルナッチャ・ティントレラ、白ブドウ品種はゴデーリョ、ドニャ・ブランカ、パロミノ、マルバジアなどです。生産されるワインの約75%がメンシアで作られています。「ビエルソはメンシアの土地」というD.O.のスローガンをそのまま体現しているのです。

メンシア:ビエルソの主要品種で、生産地で栽培されているブドウの75%を占めている。
生産性が低い品種で早い発芽および早い成熟が特徴。房は小さく、コンパクト。果実は中型で均一。果実の色は青黒い。色素沈着による果肉の着色はない。

ガルナッチャ・ティントレラ:黒ブドウ品種ではこの地域で栽培されているブドウの2%を占めている。アリカンテ・ブーシェとも呼ばれる。生産性が低い品種で、早い発芽および早い成熟。房は大きく中型。果実は中位で均一。果実の色は青黒。色素沈着は強く、果肉は赤みを帯びている。

ゴデーリョ:ビエルソの地形と斜面に適応した白種類。地域で栽培されるブドウの4%に相当。生産性が低い品種、早い発芽および早い成熟。房は小型でコンパクト。果実は小さく均一で色は黄緑。

ドニャ・ブランカ:白品種。地域で栽培されているブドウの2.4%に相当。バレンシアナとも呼ばれる。中程度の生産性、中程度の発芽と早熟。房は中規模でコンパクト。果実は中型で均一、色は黄緑色。

パロミノ:白品種。地域で栽培されるブドウの17%に相当。ヘレス、またはリスタンとしても知られている。生産性が高い品種で中程度の出芽と中程度の成熟。房は中型の大または中型でコンパクト。果実は中型、均一、黄緑色。

マルバジア:白品種。地域で栽培されているブドウの0.1%に相当。早い発芽で早熟。房は中型でコンパクト。果実は中型で均一、黄緑色。

ビエルソのワイン

ビエルソのワインは独自の個性を持っています。テロワールのワインであり、地域特有のユニークな個性を、テイスティングの際にグラスを通して味わうことができます。

白ワイン:D.O.ビエルソの白ワインは、主に認可された品種であるゴデーリョとドニャ・ブランカで作られており、パロミノとマルバジアは様々な割合で補完しています。

ロゼワイン:メンシア50%と、黒品種、白品種のブレンドで作られています。

赤ワイン(ホベン):1年目または2年目のワインは主にメンシア品種70%で作られ、濃い色と柔らかい風味が特徴。

赤ワイン(クリアンサ):最低2年間の熟成で作られたもの。330リットル以下のオーク樽で最低6ヶ月間維持されなければなりません。

赤ワイン(レセルバ):最低3年間の熟成で作られたもの。330リットル以下のオーク樽で最低12ヶ月間維持されなければなりません。白とロゼワインは、樽で6ヶ月間、瓶で18ヶ月間熟成されます。

赤ワイン(グラン・レセルバ):最低5年間の熟成で、330リットル以下のオーク樽で最低18ヶ月、残りの期間はボトルで熟成されなければなりません。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年7月現在)の一部を和訳、およびビエルソ原産地呼称統制委員会HPを抜粋したものです。

La Mancha / D.O. ラ・マンチャ

D.O. ラ・マンチャ

スペインの中央に広大なラ・マンチャとバルデペーニャスのDOがあります。 果てしなくどこまでも平らに広がるメセタ上の大平原にあるラ・マンチャは、スペインの原産地呼称のなかでも最大の栽培面積と生産量を誇るワイン産地です。セルバンテスが「9カ月の冬(インビエルノ)と3カ月の地獄(インフィエルノ)」と記述したように、極端な大陸性気候にあるこの土地で最も多く栽培されてきたぶどう品種が、世界最大の栽培面積もつ白ぶどうのアイレンです。近年、最新の醸造技術を駆使して、あるいはマカベオ(ビウラ)とブレンドすることによって、新鮮ですっきりとした風味の新しいタイプの白ワインが造られるようになってきました。また、センシベル(テンプラニーリョ)への改植が奨励され、赤ワインの生産割合も徐々に増えています。
これまでは協同組合が生産の要となっていましたが、豊富な収穫量や栽培コストが安いことに着目したリオハなどの地域外のワイン生産者による投資が増え、品質の改善、向上への取り組みが行われ始めました。お手ごろな価格で良質な、親しみやすい味わいのワインがヨーロッパ各国にも多く輸出されるようになり、欧米のワイン評論家や専門家はラ・マンチャを「眠れる巨人が目を覚ました」と言って注目するなど、これからも目が離せない産地です。

DOラ・マンチャはマドリードから約60kmの南カスティーリャのメセタ(台地)に位置しており、この地方の面積の半分を占めています。ブドウ畑はアルバセテに12、シウダードレアルに58、クエンカに66、トレドに46と、合計182の自治体に分布しています。ラ・マンチャは世界最大のワイン生産地域でもあり、DO認定ブドウ畑面積の合計は164,553ヘクタールで、スペインで生産されるワインの3割ほどを占めていると言えます。

ラ・マンチャは理想的なブドウ畑です。気候ははっきりとした大陸性気候で夏と冬の気温の差、また一日の気温差も大きく、また非常に乾燥していて、そのためブドウの実は健康に恵まれています。ヘクタール当たりの収量はそれほど高くはありませんが、その分品質に恵まれていると言えるでしょう。

ラ・マンチャのワインの最初の公式認定は1932年で、その年の9月に発行された「La Gaceta de Madrid」(今日の政府州公報)で「原産地呼称」として認定されており、スペインで最も古いDOの1つとなっています。

長い間ラ・マンチャのイメージは、乾燥した巨大な台地で、質よりも量優先のワイン生産をしているというものでした。しかし今日では世界の名高いワインの中で確たる地位を獲得しています。

DOラ・マンチャの原点は、ワインの販売促進と品質の保護です。 従ってブドウ畑の品質管理を厳しく行っています。株仕立てのブドウ畑の1ヘクタールあたりの栽植密度は、1,000〜1,600株の範囲で、最大で20,000の芽を残し、垣根仕立てでは1,275〜3,333株で、最大で42,000の芽を残すことができます。さらに株仕立てと垣根仕立てで行われたブドウ畑での最大収量は10,000kg / haと、13,000kg / haに達します。従って収量が許容値よりも高い場合、その合計収穫量はラ・マンチャの原産地呼称のワインには適さないことになります。原産地呼称が指定されたワインは、規制委員会のテイスティング部会の厳しい条件のもと、優れた品質が保証されています。原産地呼称に相応しいワインは、統制委員会によって与えられたラベルとともに市場に出荷されます。

原産地呼称の認定を獲得したワイナリーは、市場と消費者の需要にマッチして、急速に発展していきました。これらのワイナリーは、革新的な最先端の技術設備を導入し、きめ細やかなワイン造りを通してワインを芸術と化すと同時に、国内外の市場に販路を拡大していきました。世界市場においては、ここ10年、毎年10%の成長を遂げており、主要ワイン消費国においてラ・マンチャのワインが確実に参入しています。多種多様なブドウ品種を有することから、幅広い種類のワインを提供しています。

D.O.ラ・マンチャで栽培されているブドウ品種

白ブドウ品種
アイレン、ビウラ(マカベオ)、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、ベルデホ、モスカテル・グラノ・メヌード、リースリング、パレリャーダ、ヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネール、ペドロ・ヒメネス、トロンテス

黒ブドウ品種
センシベル(テンプラニーリョ)、ガルナチャ、モラビア、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、プティ・ヴェルドー、モナストレル、ボバル、グラシアーノ、カベルネ・フラン、マルベック、ピノ・ノワール、メンシア

ワインには以下のタイプがあります。

ヤングワイン製造後9ヶ月以内に賞味すること。
伝統的ワインタンクや甕(かめ)で貯蔵されたものですが、本来、熟成タイプのワインと同等の賞味期間があります。このカテゴリーには、(糖を添加していない)天然のスイート白ワインも含まれます。
樽熟成ワイン製造方法はヤングワインや伝統的ワインと同じですが、最低60日間以上樽で熟成されたもの。
クリアンサ2年間、自然熟成されたもの。樽熟成ならびに瓶内熟成期間は最低1年以上。
レセルバ樽熟成期間がオーク樽で最低12カ月以上、瓶内熟成期間が最低24ヶ月以上。
グランレセルバ樽熟成期間がオーク樽で最低24ヶ月以上、瓶内熟成期間が最低36ヶ月以上。
微発泡ワインその特殊な製造方法により、糖の発酵過程で生じた二酸化炭素が少量含まれている。
スパークリングワイン伝統的製法でつくられ、瓶内熟成期間は最低9ヶ月以上。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年4月現在)の一部を和訳、およびラ・マンチャ原産地呼称統制委員会HP(日本語)を抜粋したものです。

Valdepeñas / D.O.バルデペーニャス

D.O.バルデペーニャス

広大なラ・マンチャ平原の南側にいくつかの山脈に囲まれた大きな渓谷があり、この地形から「石の谷」を意味する名前で呼ばれるバルデペーニャスがあります。この土地のワイン造りは長い歴史をもち、19世紀から20世紀にかけて首都マドリッドでとくに愛飲されていました。夏暑く、冬厳しい大陸性気候で、センシベル(テンプラニーリョ)を主体とした軽やかな赤ワインが多いのですが、若飲みタイプだけでなく、レセルバやグラン・レセルバといった熟成タイプのものも造られています。長期熟成したワインのコストパフォーマンスが非常に高いのも長所のひとつです。

カスティーリャ・ラマンチャの南部に位置するDOバルデペーニャスは、ハバロン河が東から西に横切る22,000ヘクタールの産地で、ブドウ畑には樹齢100年の古い樹が残り、2500人の熟練したブドウ生産者が存在します。

DOバルデペーニャスが公式にワインの法令で定められたのは1932年ですが、この地でのワイン造りの歴史は紀元前5世紀にまで遡ります。科学的な調査によれば、まさに今の産地でその頃のワイン造りが行われていました。

1968年にDOバルデペーニャスの最初の規定が定められ、その内容は2009年までそのまま受け継がれていました。その後DO委員会はブドウ栽培家と醸造家(ワイナリー)はお互いが緊密に協力できる専門的な体制を作り上げ、よりユニークな品質を求めたワイン生産とプロモーションを行うようになりました。DOバルデペーニャスという一つの地名から成るDOですが、実際には10の市町村がそこには含まれています。

バルデペーニャスのワインは非常にユニークで、スペインのほかのどの地にも見ることのできない特徴を備えています。極端な気温の差と、2500時間にのぼる年間の日照時間という環境の中、しっかりと逞しい低木のブドウ樹から選ばれ、限られた量のブドウだけが収穫されます。

このユニークな環境(テロワール)とこの地方の年季の入った伝統的なワイン製法(通常この地方の家族で代々受け継がれている)により、とても良く成熟したブドウ樹から、深みのあるリッチな色合いで、極上の骨格を持つ力強いブーケのワインが生まれます。

樽熟成をしたグラン・レセルバやレセルバとクリアンサからフレッシュでアロマティックな若いワインまで、DOバルデペーニャスのワインは100か国以上に輸出されており、その評価は最高のヴィンテージを求める人の期待を常に上回り、またどんなタイプの料理にも完璧にマッチするものとなっています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年4月現在)およびバルデペーニャス原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。

Almansa / D.O.アルマンサ

D.O.アルマンサ

アルマンサの7200ヘクタールのブドウ畑は、アルバセテ県の南東地域を見渡すことのできる、街の壮大なお城によって見守られています。
ブドウ品種のモナストレルは、バレンシアの各地と同様に、ここでも大きな可能性を発揮し始めており、ワインのスタイルはほかの産地と同様の路線に沿ってゆっくりと成長し始めています。 他の近隣の産地と同様に、モナストレルとテンプラニーリョをブレンドした先駆的なワイナリーの新しい赤ワインが、輸出市場にその活路を切り開いています。
またここの土地は、メセタ(台地)と地中海質土壌の中間地点にあり、両方の地域の特徴を有しています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年3月現在)の一部を和訳したものです。

Manchuela / D.O.マンチュエラ

D.O.マンチュエラ

D.O.マンチュエラは2000年7月に正式に認定され、2004年6月にその規約が制定されましたが、実は1982年にD.O.ラマンチャから離脱して以来、既に独立したD.O.として定義され、運用されてきました。
マンチュエラは、周囲のいくつかのD.O.-色の濃いしっかりとした赤ワインの産地とラ・マンチャスタイルの白ワインを造る産地-からの影響を受けた、良質な赤ワインを産み出す土地です。特に、新たなチャレンジ精神から行われている一部のワイナリーによって試験的に得られたワインは、今後の可能性を示しています。これまでは他の産地でブレンドされるためのバルクワインを提供していましたが、現在は独自のアイデンティティを認識したボトル詰ワインを生産するようになり、この産地に確実に良い影響を及ぼしています。

環境

フカール川とカブリエル川がなす渓谷の間に位置しており、特定の気象条件に恵まれています。二つの川の堆積物から成る石灰岩質がベースにある粘土質土壌で、その土壌によって雨が集められ、水分はブドウが生育する前まで(土中に)保持されます。
5月から9月の間、湿気が殆ど無く、雨も少ない状況で、同時にブドウの成熟時期の日照量が非常に多いため、病気のリスクはほとんどなく、よって病害虫に対する処置の影響での品質低下を受けずに済んでいます。
ブドウ畑は標高600~1,100mの約7.2万haの範囲に広がっています。気候は大陸性気候で、湿気を含んだ「レバント」(地中海からジブラルタル海峡を吹き抜けていく東の強風)という風の影響を受けています。また「ポニエンテ」(イタリア、フランスの地中海沿岸で吹く西風)という風から来る日中の高い気温と、夜間に地中海から来る新鮮なそよ風は、ブドウをゆっくりと熟成させ、それによりブドウのポリフェノールは完全に組成されます。
これらの条件(テロワール)の調和、そしてマンチュエラの伝統的な農法と近代的な生産方法が、この地のワインの個性と優れた品質を保証する理想的な枠組みとなっているのです。

ワイン

マンチュエラのワインには、大量生産で、品質にはあまりこだわっていないワインというイメージが長年ありました。しかし現在ではマンチュエラで生産されたワインは、スペインにおける最も有名なワインたちと引けを取らない、この産地独特の特徴を保持しています。 マンチュエラのワインが国内外における重要な賞を頻繁に受賞していることがその証しであり、間違いなくワインの地位は上がっています。
一方、ブドウ畑の作物と土壌の状態、土壌や文化的技術の特徴などは、ブドウの健康状態とともに見落とすべきではありません。それらが高品質で新鮮な素材を提供してくれるのです。同様に、モストの抽出過程で使われる技術(洗浄、温度制御など)やその後の生産プロセスにおける技術のレベルを指摘することも重要です。
D.O.マンチュエラのワインは非常に特異なワインであり、そのプレステージは世界の知るところとなっています。ブドウ畑での慎重な収穫と骨の折れる準備が、優れたマンチュエラのワインを生み出しています。
「世界各地から数々の賞を受賞し続ける名高い威信の高品質ワイン」、それがDOマンチュエラのワインです。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年5月現在)およびマンチュエラ原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。

Méntrida / D.O.メントリダ

D.O.メントリダ

メントリダは、古い歴史を持つが(注)、現在ではあまり一般的にはあまり知られていないワイン産地で、トレド県の北西に位置しています。今日地元の生産者たちは、優れた品質のモダンなワインを生産するためにステンレス製の設備を手に入れ、ブドウ、土壌、気候を最大限に生かす工夫をしており、産地は可能性を示し始めています。
その結果、1980年代に大幅な売上げ減を経験したメントリダは、その後マドリードやラマンチャと同様のルネッサンスを謳歌しています。もっとも投資できる資本がそれらの地域より少ないため、その再生のスピードは緩やかです。
(注:ハプスブルグ朝時代のマドリッドではこの地域のワインが大人気だったと記録が残っています)

地域、土壌と品種

この地域は、タホ川の右岸とグレドス山脈の間に位置しています。メントリダの気候は、冬が長く寒い極端な大陸性気候ですが、グレドスの山の壁が、北部と西部からの冷たい風から守ってくれています。
穏やかに波打つ地形は、花崗岩質の砂質土壌で構成されています。土壌は酸性でわずかな石灰岩質があり、そのためそこでできたワインはより繊細さを増します。
ブドウは殆どがガルナッチャで、生産性の低い古木が多く、夏の太陽からブドウを守り最高の状態で完熟させるため、株仕立てになっています。夏は暑く、雨が少なく、雨量は300mmを超えることは殆どありません。これらの気象条件は、ブドウ栽培には理想的で、エコロジカルな、またバイオダイナミックなワイン造りを促進しています。
近年、ガルナッチャという女王の本来の資質をより生かすため、テンプラニーリョ、メルロー、シラー、カベルネなどの品種が導入されています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年5月現在)およびメントリダ原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。

Mondéjar / D.O.モンデハール

D.O.モンデハール

モンデハールはグアダラハラ県にあり、1997年に「ビノ・デ・ラ・ティエラ」よりDOに昇格した2,000haほどの産地です。
ブドウ畑はマドリードの北東にある低い丘陵地帯に広がっており、その殆どはDOになった後、町のまわりに集中しています。DOには他に18の町があり、そのうちの1つサセドンでは生産量は少ないながらも独特の興味深い、若飲みの赤ワインが作られています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年5月現在)およびモンデハール原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。

Arlanza / D.O.アルランサ

D.O.アルランサ

D.O.アルランサは2007年に認証されました。カスティーリャ・レオン州のブルゴスとパレンシア県にまたがったアルランサ川が名前の由来です。スペインの中ではかなり冷涼な地域です。

アルランサの地理的境界はブルゴス県の中心、県都から南へ約40キロ地点にあり、アルランサ川の中、下流域とその支流の谷に位置し、ピスエルガとパレンシアの南東の合流点まで続いています。 この地域でワインが造られていた最初の証拠となる記述は、12世紀にサンタ・マリア・デ・ブへド・デ・フアロス修道院が、アルランサ川沿いとドゥエロ川沿いの土地をブドウ畑として購入した、というものでした。以降ワイン造りの伝統は維持されてきました。

D.O.の管理委員会はレルマの町にあります。そこはローマ以前からあった境界の地で、川を独占できる戦略的に重要な場所でした。
多くの民族が行き交い、アラブ人に占領もされました。キリスト教徒はアルランサ川をボーダーラインとしてレコンキスタを進め、そこを再植民地化し、戦略的に有利な場所や城を川沿いに展開しましたが、その中心地がレルマでした。
20世紀の初めにフィロキセラが現れ、既存のブドウ畑は全て再植樹を余儀なくされました。 1920年に再植樹が完了し、その後20世紀半ばまでブドウ園はこの地域の重要な産業でした。

1950年代になると、豊富な労働力を必要とする大規模な産業拡大によって、他の地域同様にアルランサ郡の農村部からも多くの人材の流出が起こりました。この農村の労働力の欠如と、ブドウ畑の構造-小さな区画、機械化できないブドウの仕立て方、雑多な品種が混じった畑-等により、多くの農家はブドウ栽培を放棄するしかなく、より保護されていた穀物の栽培へと転換したのでした。

1995年にワイン愛好家のグループが、アルランサのワインの伝統を取り戻すために行動を起こしました。彼らの努力はカスティーリャ・レオンの議会によって「ビノ・デ・ラ・ティエラ・デル・アルランサ」として認定され、その時からその地域のワインの素晴らしさを取り戻すための活動が始まりました。生産と熟成は管理され、原産地保護のルールのもとで生産されたワインは品質が高いことが知られるようになりました。良い生産体制が取られ、消費者の認識が高まった結果、2007年にアルランサ原産地呼称が認定されました。
この産地の最も顕著な特徴は、あらゆるレベルでの多様性の高さであり、土地もその例外ではありません。生産地一帯には、いくつかの種類の土壌が存在しています。この地質学的な多様性は、ワインに様々な異なる特性をもたらします。一般的に、花崗岩質の岩石由来の砂質土壌で育ったブドウからは、長く熟成する、繊細でエレガントなワインが出来ます。中央エリアにはシェール層から来る粘土質土壌があり、そこで育ったブドウからはミネラル感のある骨格のしっかりとしたワインが出来ています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年9月現在)およびアルランサ原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。

内陸部地方その他の産地

シガレスは緩やかな丘陵地に小麦畑とぶどう畑が果てしなく広がるカスティーリャ・レオンの典型的な風景地帯にあります。柔らかい岩をくりぬいた醸造所があちこちにあり、これまではロゼの産地として知られていました。ティンタ・デル・パイス(テンプラニーリョ)を60%以上使用することが義務付けられているロゼはシガレスのワイン生産量の75%を占めていますが、近年はオーク樽で熟成させた赤の生産量が徐々に増えています。

首都マドリッドの近郊の標高が高く、乾燥して、寒暖の差が激しい産地にビノス・デ・マドリッド、メントリダ、モンデハールがあります。スペインの首都マドリッドの近郊のビノス・デ・マドリッドではガルナッチャティント・フィノを主体にした赤ワインとアルバルアイレンから軽くフレッシュな白ワインが造られており、最近はクリアンサ、レセルバタイプも作られるようになりました。直ぐ近くのメントリダでは赤のみが造られ、品種ではガルナッチャが多くティント・デ・マドリッド(テンプラニーリョ)が続きます。1991年新規定が導入されてからはクリアンサなど樽熟ワインが増えてきました。雨量の少ない地中海性気候のモンデハールは、赤はセンシベルカベルネ・ソーヴィニョンから色の濃い、渋みの強いワインが造られており、センシベル100%から造られる品種表示のワインもあります。

スペインの南西部、エクストレマドゥラ地方にあるリベラ・デル・グアディアーナは1998年にDOに認定されました。夏は酷暑、冬は厳冬で雨量の少ない産地で、白はカエタナパルディーナビウラシャルドネ、赤はガルナッチャテンプラニーリョボバルカベルネ・ソーヴィニョングラシアーノなど多岐にわたる品種が使われています。ラ・マンチャ同様ぶどうの栽培面積が非常に大きく「ワインの海」と呼ばれています。協同組合主体のワインつくりですが、最近は個人企業のボデガが増えてきて、品質向上にむけての大きな努力がされています。

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