産地紹介(諸島部)

Binissalem / ビニサレム

D.O.ビニサレム

ビニサレムは、バレアレス諸島で最初に認定された原産地呼称で、1990年に設立されました。D.O,の名称は、マヨルカ島の中央部にある都市の名前から取られています。

この地域のワインは、地場の固有のブドウ品種から来る独特のキャラクターがあり、また最近植えられた海外からの品種が成功しており、それをブレンドすることにより、特筆すべき高い品質のワインとなっています。
土地の固有品種のマント・ネグロは、熟成へのポテンシャルが非常に高く、将来的にこのエリアから偉大なワインが生まれることを示唆しています。
このD.O.のワインは、最新のテクノロジーを備えています。ワインは一般的にシャトー・タイプ、いわば家族経営のワイナリーと畑が一体となっているスタイルで生産されています。

地理的条件と気候

ビニサレムはマヨルカ島の州都パルマの北東に広がる高原に位置する。高度は70メートルから140メートルと低い。北にはシエラ・デ・アルファビア(アルファビア山)があり、冬場に吹く冷たく湿った北風からブドウ畑を守るシェルターの役目をしている。
表土のすぐ下の石灰岩の露出や、粘土の上に石灰岩が散在したりしていて、土壌はゆるく、栄養価の低いものとなっている。石灰質土壌の表土により土中は水分を保持しやすくなっている。
ビニサレムは、乾燥して暑い夏と、穏やかで短い冬の、島特有の地中海性海洋気候である。ブドウ生産者にとって一番の悩みは夏の暑さだが、高度が夜温を下げるのに役立っている。
時には、風や霜、そして雹の害にも悩まされる。雨は秋に降り始める。軽い嵐として登場し、時に豪雨を伴う。

栽培と醸造

固有品種のマント・ネグロが黒ブドウの68%を、白ブドウではモルが72%を占めている。
当地では、植樹密度は、ヘクタール当たり2,200本から5,000本となっている。収穫は通常8月第2週から始まり、9月の終わりまで続く。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年9月現在)の一部を和訳したものです。

Pla i Llevant / プラ・イ・リェバン

D.O.プラ・イ・リェバン

このDOの名前は、島の地区の一つにちなんで付けられました。マヨルカ語で平原と東海岸を意味します。DOの規則は、1999 年春に公示されました。ブドウ畑は島の中央および東側のエリアの平地にあり、白亜質の最適な土壌条件を備えています。DOは18 の自治体で構成されており、現在登録されているワイナリーは13軒、67 の栽培農家があります。ブドウ畑の合計は444 ヘクタールです。

ブドウ栽培について

白ブドウの認可品種: シャルドネ、モスカテル・デ・グラノメヌード、モスカテル・デ・アレハンドリア、パレリャーダ、リースリング、ヴィオニエ、プレムサル・ブランと土着品種の(ジロ)・ ロス。

黒ブドウの認可品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、モナストレル、ピノ・ノワール、シラー、テンプラニーリョ、土着品種の カレット、マント・ネグロ、フォゴネウ、ゴルゴリャッサ。

植樹密度は土地、品種、仕立て方によって異なりますが、だいたいヘクタール当たり2,500~ 5,000本の間です。栽培方法は垣根式、または株仕立てです。
気候は典型的な地中海性気候で、穏やかな冬と非常に暑い夏が特徴です。年間の平均降水量は 450 mmで、降雨は主に春と秋に集中します。 プラ・イ・リェバンのブドウ畑の標高は100メートル以下で、ほぼ海面レベルです。そのため海からの風が、微小気候として、ブドウ栽培に大きな影響を与えています。
この島では、昼夜で変化する温度により、頻繁に「Embat-海陸風」が起こります。一番暑い時間帯には海から陸へ風が吹き、夜にはその逆方向にやや穏やかな風が吹きます。DOプラ・イ・リェバンの地域では、一年のうちの特に暑い時期に、「Embat」が吹き、おかげで温度は緩和され、時によって雲や雨となります。

プラ・イ・リェバンのブドウ栽培に影響を与えている3つの事項

冷却

「Embat」は特に暑い時期に発生する熱を含んだ風で、強く吹くことでプラ・イ・リェバンのブドウ畑への「冷却」効果を持ち、ブドウの成熟を促進します。

湿気

「Embat」は湿気を含んだ風で、ブドウ栽培に大きな影響を及ぼします。湿気が多いので、病気やカビが発生しないよう、ブドウの実の風通りをよくしようとしたりします。そのためこの地域では、ブドウが青いうちに刈り取るグリーンハーベストをおこなったり、多すぎる実を早めに落としたりする作業が重要となっています。

塩分の影響

「Embat」は海からの風なので、塩分を多く含んでいます。この塩分を含むブドウ、特に黒ブドウはワイン醸造の過程でモストの中に塩分が溶け出るため、ワインの味わいにかなりの影響を与えます。

これらの3つの要因により、ワインはユニークでより特徴的なワインとなり、ブドウ栽培農家やワインメーカーは、よい品質のワインを作ろうと日々努力を重ねています。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2017年10月現在)およびプラ・イ・リェバン原産地呼称統制委員会HP(スペイン語)を和訳したものです。

バレアレス諸島とカナリア諸島

バレアレス諸島中心地にあるDOがビニサレム-マヨルカです。意欲的な生産者が長年賢明な努力をし、1991年DOに認定されました。白はモル(プレンサル・ブラン)またはモスカテルを50%以上使用し、パレリャーダマカベオをブレンドします。赤はマント・ネグロを50%以上使い、樽熟を6ヶ月以上行ったクリアンサが造られるようになり、品質の向上が著しい産地です。また、島の東側に2001年にプラ・イ・リェバンというDOが誕生しました。

15世紀から続く古いワイン産地のカナリア諸島には現在8のDOがあります。緯度が低い割には大西洋の強い風を一年を通して受けるため、平均温度は16度から24度で乾燥しているため、年間を通して過ごしやすい。主な品種はマルバシアリスタン・ネグロリスタン・ブランコなどで、そのほかにもフィロキセラ害が到達しなかったため、多くのカナリア諸島原産の品種が残っています。

カナリア諸島最大のテネリフェ島には、イコデン・ダウテ・イソーラ、バジェ・デ・ラ・オロタバ、タコロンテ・アセンテホ、バジェ・デ・グイマール、アボナがあります。イコデン・ダウテ・イソーラは赤、白、ロゼと伝統的な酒精強化の甘口ワインが造られています。また、リスタン・ブランコ100%から造られる香、酸味が豊かでフレッシュ&フルーティな白ワインも有名です。17世紀から18世紀にかけてはカナリア諸島のワイン中心地であったバジェ・デ・ラ・オロタバは丘陵地の水はけの良い斜面にぶどう畑が広がり、伝統品種のリスタン・ネグロネグラモルから果実味豊かな赤ワインが造られています。タコロンテ・アセンテホは海抜200m~800mの斜面地帯の肥沃な火山土壌に広がり、リスタン・ブランコリスタン・ネグロからフレッシュは白と赤が造られ、カナリア諸島最大の生産量があります。1996年DOに指定されたバジェ・デ・グイマールアボナマルバシアグアルベルデホの白、赤やロゼはリスタン・ネグロネグラモルモスカテル・ネグロからフレッシュでフルーティなワインを造っています。

カナリヤ諸島の西にあるラ・パルマ島とエル・イエロ島には各島全体を包括するラ・パルマ、エル・イエロのDOがあります。ラ・パルマは土壌が火山灰であるためフィロキセラや峨などぶどう特有の病害がありません。マルバシアを使った甘い酒精強化ワインが伝統的に造られてきましたが、最近はフレッシュなタイプの白ワインが造られるようになっています。赤ワインはネグラモルをベースにした軽くフルーティなワインが島の中央部で作られます。エル・イエロではぶどう畑は斜面を利用した棚田状に作られていて、ベルハリエゴリスタン・ブランコからバランスが良い白ワインが造られています。

ランサローテはランサローテ島のすべてを占めるDOで島全体が火山灰で覆われています。非常に風が強いため、ブドウ畑は石を積んだ囲いで保護され、木は一本づつ個別の壕のような大きな穴の中に植えられている。17世紀には酒精強化ワインが「カナリー・サック」として広く飲まれていました。現在も伝承されており、マルバシアと少量のリスタンから造られています。赤とロゼはリスタン・ネグロネグラモルから軽いタイプの赤ワインやロゼワインが少量作られています。そして近年はブラックブランカブレバルディエゴなど伝統品種に加え、リスタン・ブランコからのフレッシュな白ワインが増えています。

Abona / D.O.アボナ

D.O.アボナ

アボナはテネリフェ島をカバーしている5つのDOのうちで一番新しいDOです。設立は1996年で、若い白や赤ワイン、ロゼワインは、年間を通して観光業に支えられている地元の市場にすぐに受け入れられました。
畑の面積は急速に広がっていますが、畑がまだ若いため、生産がフル稼働に達するまでにはまだ数年かかることでしょう。
ブドウ畑は7つの村落に分かれており、幅広い標高の範囲の中には、ヨーロッパで最も高い標高1500mに位置する畑もあります。

文化とワインの世界は、カナリア諸島の過去に深く根付いています。最初のブドウの収穫は15世紀の終わりにまで遡るという証拠があります。カナリア諸島のワインは、独特の気候や火山性土壌から来る、他のヨーロッパのワインには無い特殊性で、すぐに大きな評判となりました。しかし16世紀以降ワイン産業は衰退します。最初はイギリスとスペインとの間の緊張関係によるイギリス市場の喪失で、それは17世紀を通して続きました。輸出の拠点だったガラチコ港も1706年の火山の噴火や、うどん粉病などのカビによる病気が入ってきたことで衰退していきました。その後、19世紀末にはフィロキセラによって、ヨーロッパの殆どのブドウが壊滅に近い状態になりましたが、カナリア諸島はこの被害を受けなかったので、地元消費のためのブドウ栽培やワイン生産の継続が可能でした。 1980年代半ば以降、カナリア諸島でのワイン生産は復活し、品質が向上して、輸出も回復しました。

ファスニア協同組合は1950年代にワイナリーを始動し、ワイン生産、その後ボトル詰めをするにいたりました。1988年にはサン・ミゲル協同組合がワイナリーを設立しました。それは、確かなワイン熟成の技術を持った最初のワイナリーでした。2年後にはアボナ協同組合が発足、この地域のブドウ栽培、ワイン生産の真の原動力であるこの組織は、アボナの、そして島のもっとも重要なワイナリーのひとつとなりました。1995年にはアボナ原産地呼称委員会が設立され、既に始まっていたブドウ栽培、ワイン生産の各分野の発展に貢献していきました。

D.O.情報(ファクトファイル)

※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2018年2月現在)およびアボナ原産地呼称統制委員会HP(スペイン語)の一部を和訳したものです。

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